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西野つかさを応援するスレ Part79

1 名前:(=゚ω゚)ノ 投稿日:04/02/09 23:09 ID:uSjkEGyO
いちご100%の西野つかさを応援するスレです。
つかさファンが集う場所です。
東城・北大路ファンは控えめに。
東城・北大路叩きも控えめに。
他派を刺激する内容はスレ内完結で。
このスレでのいちご100%のヒロインは、どんなことがあろうと西野つかさです。
煽り・荒らし・その他、マターリマターリを壊す輩は「完全放置」で。
雑談はOK。なりきりは禁止。

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西野つかさを応援するスレ Part78
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yuukiss神の曲
http://tsukasatan.s33.xrea.com/

その他関連サイトは>>2

29 名前:    桜 投稿日:04/02/10 00:10 ID:9cUsKFcS
じゃあ投下させていただきます。以前のものに書き足しをした形になります。
かなり長くなってしまったので、申し訳ないです。
連投規制にかからないよう支援してくれると助かります。
では以下20レスSSになります。

30 名前:1    桜 投稿日:04/02/10 00:11 ID:9cUsKFcS
「Way of Difference」 完全版

Episode1 「とまどい」

時として、愛は夢を邪魔してしまう・・・だけど、夢は、きっと愛を見つける・・・

「だってすべては東城から始まったんだから・・・」
真中は東城の事を思い返していた。制服の袖に目をやる。
「東城とは、まだ手をつなげる関係じゃないよな・・・」
宿題をやろうと机の上を整理しようとしたとき、ふとあるものが目にとまった。
それはつかさと交換したお守りだった。
「西野は大切に持っていてくれるかな」
そう思った瞬間今度はつかさの顔が頭をよぎった。
修学旅行でつかさに近づいても誕生日で東城に近づいても、
一人だけを好きになれない自分が情けなかった。
もう寝ようと思いお守りをしまおうとしたとき・・・
「あっ!」
・・・・紐が切れたお守りが、ゆっくりと落ちていった・・・。


31 名前:1    桜 投稿日:04/02/10 00:12 ID:9cUsKFcS
次の日学校が終わり真中はバイトへ向かう。
映画館がずっと休みだったため、年が明けてから一度もつかさにあっていなかった。
久しぶりに会えると思いケーキ屋の中へと入っていく・・・が、つかさの姿が見当たらない。
(どうしたんだろ。いつもなら「淳平くん」っていってきてくれるのに)
「あの・・・今日西野は?」真中は店長に聞いた。
真中に気づいた店長は少し驚きながらも真中に返す。
「つかさちゃんは・・・やめたよ。なんだ?知らなかったのか?」
(え・・・西野が・・・なんで・・・)
「なにかあったんですか!」
真中はパニックになりそうな頭を必死に抑えながら聞き返した。
「・・・本当に何も知らんのか?言っていいのかわからんが、つかさちゃんなんでも退学になったそうじゃ。もとからバイトも禁止だったらしいしの・・・」
「え?なんで・・・退学なんかに!だってバイトくらいで!そんな!」
真中は思わず大声を出してしまった。店内の客の視線が真中に集まる。
「詳しいことはしらんよ。つかさちゃんに聞いてみたらどうじゃ」
色々なことが頭を駆け巡り無意識に真中はつかさの家へと走り出していた。
(西野・・・どうして何もいってくれないんだ・・・何があったんだよ一体)
その「現実」は今まで真面目につかさとむきあっていなかった自分を追い詰めるように
真中の心に響いていた・・・。





32 名前:3    桜 投稿日:04/02/10 00:14 ID:9cUsKFcS
一月も半ば、普段は降らない雪が降り始め、町の人たちは急いで家路を辿る。
そんな中真中はただ・・・走っていた。
ピンポーン。つかさの家のインターホンを押して誰か出てくるのを待つ。
つかさの事と全力で走った事で真中の体はフラフラだった。
「えっと・・・どちらさまですか?」
中から出てきたつかさの母が不思議に真中に問い掛ける。
「あの・・・西野・・・つかささんは?」
「まだ帰ってませんけど・・・失礼ですけどどちら様ですか?」
「あの・・・俺、真中って言います。つかささんが退学になったって聞いてそれで」
少し黙った後つかさの母が口を開いた。
「あの子、校則違反のバイトしてたの。でも・・・それだけじゃなくて・・・。詳しいことはあの子教えてくれないんだけど、先生が言うには修学旅行で抜け出したとか・・・」
「え・・・・・?」修学旅行、それを聞いたとき真中の心に当然のごとくわいてくる疑問。
(修学旅行で抜け出した・・・俺のせいで西野が退学・・・そんな・・・)
「どうしたの?」真中の顔色が変わったのに気づいたつかさの母が心配そうに問い掛ける。
「でもね、あの子これから」
「すいません!」つかさの母が言おうとした言葉を遮り真中はその場から走り去った。
自分のせいでつかさが退学になったという事実が真中の心に深く癒えることのない
傷をもたらしていた・・・。





33 名前:4    桜 投稿日:04/02/10 00:15 ID:9cUsKFcS
あてもなく街を歩いていた。雪が降ってるせいで気温は低く人もまばらだ。
道端にベンチを見つけたところで真中は腰を下ろす。ゆっくりと目を閉じた。
そしてあの修学旅行を思い出す。
(このまま学校なんて無視して、二人で修学旅行できたらいいのにね)
(うん・・・明日楽しみにしてる・・・)
(あの時、西野はどんな気持ちで俺に笑顔を向けていたんだろう・・・)
例えようのない罪悪感とつかさの純粋さが真中の心を打った。
つかさの都合を考えずに行動した自分を責める。
(あの時・・・俺が東城にあんなことしなかったら・・・どうしてあの時・・・)
東城とキスしそうになったことでつかさを傷つけた。その結果つかさは・・・
それは、いくら責めても責めきれないほどの罪だったのかもしれない。
夜が訪れ、静かに降る雪が真中の体を冷やす。
凍えた手に・・・強くお守りを握り締めていた・・・。





34 名前:5    桜 投稿日:04/02/10 00:15 ID:9cUsKFcS
Episode2 「ぬくもり」

どれくらいの時間ここにいたのだろう。
通り過ぎる人達が真中を不思議そうに見つめてもそんなの気にならなかった。
「ックシュ!」すっかり冷え切った体が素直に反応した。
「そろそろ帰ろう・・・ここにいても仕方ないよな」
真中は立ち上がって体の雪を払い歩き出した。
(明日もう一度西野に会いに行こう。あって話さなくちゃいけない事がいっぱいあるから)
真中の心はつかさのことであふれていた・・・。
イルミネーションが明るく照らす街並みは、真中の心とは対照的に、デート中の恋人達を祝福するように光輝いている。
幸せそうな恋人達を直視できない真中は腕の時計に目をやった。
時計を見ると夜の10時になっていた。あたりはすっかり暗くなり、真中は急ぎ足で家へと向かった。
マンションの前に来たところで真中の足が止まった。
階段の前に誰かが座り込んでいる。
真中に気づくとその人はゆっくりとこちらに歩いてきた。
「に・・西野・・・」
「淳平くん・・・」
「ど・・どうしてここに?」突然のつかさに驚き真中の頭はパニック状態になっていた。
つかさを見ると服には雪が積もり、手は真っ赤に染まっていた。
驚いた真中の顔に、少し笑いながらもつかさは口を開いた。






35 名前:6    桜 投稿日:04/02/10 00:16 ID:9cUsKFcS
「淳平くんが来たって聞いたから・・・・聞いたんだよね?学校のこと」
「・・・・うん。あの・・・西野・・俺・・・ホントに・・・ごめん」
罪悪感で押しつぶされそうな真中の心を感じ取ったつかさは笑顔で真中に語りかける。
「淳平くんのせいじゃないよ・・・。あたしが、二人で修学旅行できたらいいねっていったんだし。それに、後悔してないから」
「でも、俺が東城とあんなことにならなければ・・」泣き出しそうな真中をつかさは遮る。
「それでもよかった!淳平くんと一緒に修学旅行できたから・・・。淳平くんと同じ思い出を作れて、うれしかったから・・・」
「西野・・・」
真中はまっすぐ見つめてくるつかさを直視できなかった。
「それに、なにより・・お守り交換できたしね!」そういってつかさはお守りを取り出す。
「あれからずっと、大切に持ち歩いてるんだよ」
「俺も・・・持ってるよ・・・ずっと。信じてるから。あの神主さんがいったこと・・・」真中もお守りを取り出した。
つかさの眼から涙がこぼれる。真中はつかさをそっと抱き寄せた。
「じゅ・・淳平くん!」
つかさは少し驚きながらもすぐに真中を抱きしめ返す。
「淳平くん・・・体冷たいよ?」
「西野だって・・・こんなに冷たいじゃないか」真中の頬も涙がつたう。
「そうだね・・・でも、あったかいよ・・・」
一月の夜は寒く、お互いの体は冷え切っている。ぎこちない仕草で、二人は抱き合う。
冷たい風が吹き続けても・・・たとえ雪が降り続いても・・・ここから始めていこうと強く心に思った。





36 名前:7    桜 投稿日:04/02/10 00:17 ID:9cUsKFcS
Episode3 「涙のバレンタイン」

誰もが何かを期待して過ごしている。
いくつもの恋が叶い、いくつもの恋が散る2月14日。
バイトが終わった真中はつかさを待っていた。
あれからつかさは、ケーキ屋のバイトに戻っていた。
告白したわけでも、告白されたわけでもない二人の関係は、永遠のようで、きっと短い。
「お待たせ!淳平くん」
バイトが終わったつかさが笑顔で店から出てくる。
いつにも増して可愛くて真中は思わずにやけてしまう。
「いや、俺もさっきおわったトコ」
そういって真中はつかさの手をとった。あの日から二人はいつも手をつないで歩く。
二人の距離が離れてしまわないように。
いつもの公園に入ったところでつかさが口を開いた。
「淳平くん。ちょっと座っていかない?」
「え・・・ああ、いいけど・・・」
この公園はカップルが多く、真中は相変わらず変な期待をして顔がにやけてしまう。
「コラコラ!なに想像してんだ!」
「えっ・・・・あ、いや、別に何も・・・」
「ホントかな〜。淳平くん、変なこと考えてただろ〜」
「・・・すいません」





37 名前:8    桜 投稿日:04/02/10 00:18 ID:9cUsKFcS
二人はできるだけ恋人達から離れた場所を見つけ、そこに腰を下ろした。
「・・・・・・・・・」
「・・・・・・・・・」
何も話さない二人。真中がつかさを見ると、俯いたまま何か考え込んでいる。
「あの・・・西野、何か話があるんじゃ・・・」
「うん・・・・」
躊躇いがちなつかさをみて、真中の心に不安がよぎる。
なにか、聞きたくないことをつかさは言おうとしている。直感的にそう悟った。
「じゅ、淳平くん・・・・」
真中は何も言わずに、つかさの肩に、そっと手をまわし抱き寄せた。
つかさは真中の肩にそっと頭を乗せる。寄り添う二人は何も喋らず、ただ時間だけが過ぎていく。
「今日はバレンタインだね・・・」
沈黙を破り、つかさが話し始める。
「淳平くん、きっとチョコもらったよね。東城さんから・・・」
「あ・・・う・・・えーと・・・」
「隠さなくてもいいよ。東城さん、きっと淳平くんのこと好きだと思うし・・・」
「うん・・・。でも、西野こそ何か俺に隠してないか?」
先ほどのつかさの様子がどうしても気になり、単刀直入につかさに問う。
「もし・・・もし、あたしが、淳平くんの前からいなくなったら・・・どうする?」
「ど・・・・どうしてそんなこときくの?」
予想だにしないつかさの問いに真中は戸惑ってしまう。





38 名前:9    桜 投稿日:04/02/10 00:18 ID:9cUsKFcS
「・・・・・・・・・・・・」
「どうして・・・・」
つかさは立ち上がり、二、三歩歩いたところで振り返った。
「ずっと・・・・ずっと考えてたんだけど・・・」
消え入りそうな弱い声でつかさは呟く。真中は黙って、つかさの話に耳を傾けた。
「あたしね・・・・パリに・・・いこうかなって・・・」
「え・・・・・今・・・なんて?」
「だから・・・パリに・・・」
「パ・・・リ・・・西野が・・・?」
「・・・・・・・・・・」
「きゅ・・・急にどうしたの?」
真中は動揺を隠せない。
「日暮さんがね・・・本気で、パティシエ目指して・・・みないかって・・・。
一緒に、パリに・・・来ないかって・・・」
つかさは真中を見ようとしない。下を向いたまま俯いている。
その心の中に隠された本音に、真中は気づけない。
「・・・・え・・・・・?」
(日暮さんと一緒に・・・?俺を置いて?だって、せっかく俺達分かり合えたのに・・・)
「西野!!」
真中の声が跳ね上がる。真中は立ち上がってつかさの手をとった。





39 名前:10    桜 投稿日:04/02/10 00:19 ID:9cUsKFcS
お互いの鼓動が高鳴る。つかさも真中を見つめ、つないだ手に力を込める。
「パリなんか・・・パリなんか・・・」
行くな!・・・と言いかけて真中は気づく。
(西野が退学になったのは俺のせい・・・なのに、俺の勝手で西野の邪魔していいのか・・・・)
「・・・・・・・・」
様々な思いが頭を巡り、少したった後、真中はつかさの手を離す。そして・・・
「いい・・・ところだよな。パリって・・・西野に、似合ってるよ・・・」
本音を隠したまま、真中は続ける。つかさに、気づかれないように・・・。
「そっか・・・。パリ行くんだ・・・。西野なら、きっとすごいケーキ作るんだろうな。
頑張って・・・来いよ」
「・・・・・ありがとう。行くなとは・・・言ってくれないんだね・・・」
「えっ?」
「なんてね・・・。決まったら、連絡するね」
精一杯の笑顔を見せて、つかさは走り去っていく。流れる雫に、真中は気づかない。
そしてつかさも・・・真中の頬を流れる涙に気づかなかった・・・。
想いの強さとは比例しない心の距離に、もどかしさだけがつのっていく。
雨が降り出し、周りの恋人達は姿を消す。真中はその場から一歩も動けなかった。

伝えられない想いはすれ違う・・・

2月14日。いくつもの恋が叶い・・・・そして散る。






40 名前:11    桜 投稿日:04/02/10 00:20 ID:9cUsKFcS
Episode4 「逢いたい気持ち」

どうして人の気持ちはわからないのだろう。例えどれほどに想っていたとしても・・・。
ベッドに横たわり、真中はそんなことを考えていた。
優しさが、時として人を傷つけることに、真中は気づかない。きっと
すれ違ってしまうのは、あまりにも簡単で、元通りにするのは、あまりにも難しい。
(行くなとは・・・言ってくれないんだね・・・)
あれから、つかさの言葉が頭から離れなかった。
(あれ・・・本気だったのかな。でも・・・俺には・・・)
あれから一ヶ月が過ぎていた。つかさとは、あれから一度も会っていない。
(もう・・・パリに行ってしまったのかも・・・)
そうして、また一日が過ぎていく・・・。
街は3月14日。あの日叶った恋は、それぞれの道へと進んでいく。
あの日から動き出せない二人は、そこに・・・立ち止まったまま・・・。
つかさへの想いを断ち切れない真中は、東城にも・・・さつきにも・・・何も出来ない。
(五月になったら結婚しよ。あたしが働いて真中の学費稼ぐから!)
(あたし・・・決めた。真中君と同じ大学に行きたい。あたしの夢は、真中君と
一緒に映画作ることだから・・・)
さつきと東城。二人の自分に対する思いを真中は痛いほどわかっていた。
だけど、本当に気づくべき気持ちは・・・・もっと他にある。


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